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2019.11.29

愛犬の狂犬病予防接種はどうして受けなくてはいけないの?

豆知識

毎年4月~5月は狂犬病予防注射月間。 生後91日以上の犬を飼い始めたら30日以内に、犬の所在地の区市町村で登録し、以後年に1回狂犬病予防注射を受けさせることが、飼い主に義務付けられています。

狂犬病とはどんな病気で、どうして毎年接種しなくてはいけないのでしょうか?

狂犬病は人類史上もっとも危険な疾患

そもそも、狂犬病はどんな病気なのでしょう。 狂犬病は、狂犬病ウイルスが感染することによって発症します。発病すると現代医学では治療方法がなく、神経を侵された後にほぼ100%死亡するといわれています。その脅威は「世界一致死率の高い病気」としてギネスに登録されるほど。

「狂犬病」という名前から犬だけの病気と思われがちですが、人を含めたすべての哺乳類が感染する人畜共通感染症です。 なぜ「犬」なのかというと、人への感染源の95%以上が犬による動物咬傷によるため。

犬が狂犬病を発症すると狂暴化し、人や動物を咬みつくようになります。唾液にも多くのウイルスが含まれるため、ほぼ確実に感染してしまいます。その症状は、脳神経を侵して全身の筋肉に麻痺を引き起こし、呼んで字のごとく「犬が狂う」ように狂暴化し、精神錯乱、全身麻痺などの症状を起こして死に至らしめます。 そのため、日本では法制化して飼い犬の狂犬病予防接種を義務化。それにより、狂犬病を清浄化できた数少ない国となることができました。

狂犬病予防接種の接種率低下が問題に

しかし、近年狂犬病予防接種の接種率が下がっていることが問題になっています。 狂犬病予防接種は「狂犬病予防法」で義務付けられ、対象となる動物が未接種の場合は20万円以下の罰金が科せられます。他のワクチン接種は飼い主の自主性にゆだねられている一方、狂犬病予防にこれほど厳格なのは、その脅威を鑑み「確実に」感染を防ぐため。

世界保健機関(WHO)は感染症を防ぐための予防接種率は、全体の70%以上必要としていますが、国内の狂犬病予防接種については、未登録の犬がいることも考慮すると50%程度にとどまります。今の日本は、一度ウイルスが入ってくれば、大変な勢いで感染が広がる可能性があるのです。

「狂犬病予防接種は必要?」論争も

その裏にあるのは、狂犬病予防接種による副作用の不安です。 狂犬病予防接種には強い作用があり、アナフィラキシー反応などが原因で予防接種後に体調不良に陥ることも…。それにもかかわらず、基本的に全頭接種が原則、小型犬も大型犬と同じ量(1cc)を打つことにも疑問が残ります。

長年にわたり「狂犬病清浄国」であることも原因の一つ。 日本では1957年を最後に狂犬病の発症例は出ていません。国内の感染源がなくなっているのに、愛犬を危険にさらしてまでワクチンを打つことに疑問を持つ飼い主がいるのも当然といえます。

さらには、
●他の哺乳類には義務がなく犬だけが予防接種を義務化されていること
●海外から持ち込まれる動物の多くが検疫を行われない
という制度上の矛盾もあり、飼い主側の疑問が根強いことも挙げられます。

狂犬病予防接種は受けなくてはいけない!

では、
「ワクチンで愛犬が痛がるのはかわいそう」
「長年清浄国なのだから大丈夫」
「1回は打ったからいいのでは?」
「打っていなくても罰金を科されたと聞いたことがない」
「あの獣医師も打たなくていいとweb記事で言っていた」
このような理由で狂犬病予防接種は受けなくていいのでしょうか?
残念ながら、答えは「No」。

法律で規定されている以上、飼い主の義務として愛犬に予防接種を受けさせなくてはいけません。狂犬病予防法は、人間の公衆衛生の観点から定めた法律ですが、万が一感染が広がった時に、1頭でも多くの命を救うためでもあるということも理解しておくべき。

実は、日本と同様に狂犬病清浄国とされ、50年以上も発症例がなかった台湾は、2013年に清浄国から外されました。野生のイタチアナグマに咬まれた犬から感染が発見されたためです。長年の清浄国であったとしても、狂犬病の脅威は常に隣にあることを忘れてはいけません。

狂犬病予防接種の流れと猶予証明書

実際に狂犬病予防接種はどのように受けるのでしょうか?持ち物と流れを見ていきましょう。 前述のように、生後91日以上の犬を飼い始めたら、30日以内に犬の所在地の区市町村で登録し、以後年に1回狂犬病予防注射を受けさせることが飼い主に義務付けられています。

翌年からは、春ごろに登録の市区町村からハガキなどで予防接種の連絡が届きます。集団予防接種を予定している場合は、日程を確認しておきましょう。動物病院での接種、弊社ワンラブのようにペットショップでも行われていることがありますので、愛犬や飼い主が受けやすい場所で接種するとよいでしょう。

[持ち物]

・「狂犬病予防接種注射のお知らせ」ハガキ
・犬の登録カード
・予防接種手数料(3000円前後)
※新規登録の場合
・登録料
・予防接種手数料(3000円前後)

その他、飲み物やうんちの袋、暴れる懸念がある場合は口輪など、愛犬に必要なものを持っていきましょう。長く伸びるリール式リードはストッパーをかけておくようにします。

[事前の準備]

① 犬の健康状態を1週間前からチェックしておく
② 既往症や高齢などで健康に不安のある場合は、動物病院へ相談
③ 他のワクチンや予防接種との間隔を空けるようにスケジュールを組む
④ 事前に配布されている問診票に記入を済ませておく

[当日の流れ]

① 注射前に獣医師の問診を受ける
② 獣医師の指示で犬をしっかりと押さえ、注射を受ける
③ 副作用が出る場合があるため、注射のあと30分は特に注意深く様子を見る
④ 注射のあとは3~4日は安静にして、過激な運動や交配・入浴などをさける

生後91日以上の犬でも成長が未発達な場合、高齢で健康に不安がある場合、アレルギーなど既往症や免疫疾患・ガンなどの加療中などで予防接種の影響が心配な場合は、獣医師に相談をしてみましょう。 医師が接種によって命の危険があると判断すると「狂犬病予防注射猶予証明書」を発行してくれます。提出することで当該年度の接種は見送ることができます。

不安なら医師やペットショップに相談を!

狂犬病の予防接種は法律で定められているものの、飼い主によって考え方はそれぞれです。でも、大切な愛犬のことだからこそ、自己判断は禁物です。予防接種に不安を感じる場合は、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

いつも診てくれている先生なら、適切なアドバイスをもらえるはずです。また、弊社ワンラブのようなペットショップでも併設の病院などで予防接種の代行を行っていることもあります。特に、初めて狂犬病予防接種を受ける際は、こういった場所で受けると安心です。