2021.01.14
遺伝子検査でわかる犬の病気|発症リスクの高い犬種とは?

ペット犬に新たな価値“遺伝子検査”の有無
あなたのペットは遺伝子検査を受けていますか?
遺伝子検査は、疾患の発生リスクや体質・身体的特徴など「生まれながらに持つ体の情報」がわかるDNA検査です。人間の世界では、事件捜査や親子判定などで行われるネガティブなイメージもありますが、医療で遺伝子情報から治療法を探るなど、広く活用されつつあります。
今ペット業界では、ペットの遺伝子検査を推進する傾向にあります。遺伝子検査を受けることで、犬種特有の病気にかかるリスクがわかるのです。
海外では犬の遺伝子検査がポピュラーになってきていて、日本でも2019年1月から「遺伝子検査済み」のペットが販売することが報道されたことで、ペットに対する遺伝子検査の必要性が注目されることになりました。
犬の10年後の病気がわかる遺伝子検査
「愛犬の購入時に遺伝子検査をしていない…」と不安になりますが、だからこそ遺伝子検査を今から受けておくこともメリットがあります。
遺伝子検査の結果を事前に知っていれば、万が一病気を発症してもその後の愛犬とどんな生活をしていくかを準備することができます。飼い主がこれらの知識を付けておくことで早期発見と発症予防にも繋がり、愛犬の負担を軽減することができるのです。
一般的に、特定遺伝子のリスクを示すために、ノーマル、キャリア、アフェクテッドの3つに識別されます。
いわゆるキャリア、もしくはアフェクテッドと呼ばれる特定の病気の遺伝子を持つ父、母から生まれた場合は、多くの場合これらの病気の可能性をもって生まれてきます。逆に言うと、キャリアではないノーマルの両親を持つ犬は、これらの疾患にかかる可能性が極めて低くなります。
自分の愛犬が、この3つのいずれに属するかを知ることで、リスク対策ができるのです。
ノーマル(クリア)
…検査で得た遺伝子疾患の発症の危険性が極めて少ない。ノーマル同士の交配では、遺伝病のリスクはほほない。
キャリア
…発症はしないが、交配相手がアフェクテッドの場合、50%がキャリア、50%の確率でアフェクテッドが生まれる。1代限りで、交配を予定していなければリスクは低い。キャリアを増やさないことが遺伝病減少のカギ。
アフェクテッド
…高確率で発症。将来要介護になる可能性も高い。アフェクテッド同士の交配・繁殖は絶対にしてはいけない。
犬の遺伝子検査とはどんなもの?
では、わんちゃんの遺伝子検査はどのように行われているのでしょうか。
動物病院での血液採取によるものや、最近では飼い主が口腔内粘膜を取り、検査キットを専門機関へ郵送することで調べられるサービスなどもあります。多くの検査が1回の検査で1~2週間程度で結果を受け取ることが可能です。
遺伝子病検査の場合、検査の試薬がそれぞれ異なるため、該当する遺伝子病ごとの検査を受ける必要があります。そのため、どのような遺伝子病検査を受けるかは、犬種ごとにかかりやすい病気や重症度の高いものから優先順位を決めていきましょう。
重要なのは、検査の結果はあくまで「リスク」で、「診察」ではないということ。仮に愛犬がアフェクテッドであっても、100%発症するわけではありません。愛犬の健康を守るきっかけとすることが大切です。
遺伝子病になりやすい犬種と病気
実際に、どんな遺伝子病かあるのでしょうか。
2018年の登録数が多い犬種に多い遺伝子疾患は以下になります。
1位 トイプードル(登録頭数はミニチュア、ミディアム、スタンダードも含む)
アレルギー性皮膚炎、僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症、肺動脈狭窄症、
門脈体循環短絡、気管虚脱、水頭症、若年性白内障、進行性網膜萎縮、
流涙症、膝蓋骨脱臼、環軸関節不安定症、大腿骨頭壊死症、変性性脊髄症、
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、無菌性結節性脂肪織炎、停留精巣、
フォンウィルブランド病、GM2ガングリオシドーシス、ムコ多糖症
2位 チワワ
僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症、肺動脈狭窄症、気管虚脱、進行性網膜萎縮、
乾性角結膜炎、膝蓋骨脱臼、環軸関節不安定症、大腿骨頭壊死症、停留精巣、水頭症
3位 ミニチュア・ダックスフンド
皮膚疾患(アレルギー性皮膚炎、パターン脱毛、耳介血管炎、若年性濃皮症など)、
椎間板ヘルニア、環軸関節不安定症、骨形成不全症、僧帽弁閉鎖不全症、
動脈管開存症、肺動脈狭窄症、進行性網膜萎縮、無菌性結節性脂肪織炎、
甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、停留精巣、神経セロイドリポフスチン症、
ムコ多糖症
4位 ポメラニアン
僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症、気管虚脱、膝蓋骨脱臼、環軸関節不安定症、
水頭症、停留精巣、流涙症、グリコーゲン貯蔵症
5位 柴犬
アレルギー性皮膚炎、外耳炎、若年性白内障、膝蓋骨脱臼、GM1ガングリオシドーシス
6位 ミニチュア・シュナウザー
アレルギー性皮膚炎、僧帽弁閉鎖不全症、若年性白内障、進行性網膜萎縮、
尿石症、高脂血症、先天性筋緊張症
7位 ヨークシャー・テリア
アレルギー性皮膚炎、僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症、門脈体循環短絡、
気管虚脱、膝蓋骨脱臼、大腿骨頭壊死症、環軸関節不安定症、若年性白内障、
乾性角結膜炎、流涙症、副腎皮質機能亢進症、停留精巣、水頭症
8位 フレンチブルドック
変性性脊髄症、遺伝性白内障、膝蓋骨脱臼、股間接形成不全、先天性水頭症、レッグペルテス、アカラス、アトピー性皮膚炎、 チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)など
9位 シー・ズー
皮膚炎(アレルギー性、脂漏性)、外耳炎、第三眼瞼腺脱出、乾性角結膜炎、
流涙症、進行性網膜萎縮、僧帽弁閉鎖不全症、椎間板ヘルニア、臍ヘルニア、
プレカリクレイン欠乏症
10位 マルチーズ
アレルギー性皮膚炎、僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症、気管虚脱、流涙症、
膝蓋骨脱臼、停留精巣、水頭症、グリコーゲン貯蔵症
登録件数参照:ジャパンケネルクラブ
愛犬の「健康寿命」を伸ばすきっかけに
遺伝子検査は、有益な情報を知ることができる一方で、人間にとって”不都合“がある命が排除される可能性も懸念する声もあります。しかし、遺伝検査はけして命をふるいにかけるためのものではありません。
病気を予見できるということは、将来の犬の負担を軽くし、早期発見にもつなげられますし、キャリアやアフェクテッドと知っていれば交配を控えることで不幸な子犬を生むことを止めることができます。
前述の通り、遺伝子検査でアフェクテッドの結果が出た場合、病気が発症する可能性はありますが、必ずしも発症するとは限りません。このような遺伝子検査を行うことで将来予想される病気に対して心の準備ができますので、愛犬の「健康寿命」を伸ばし幸せな暮らしを長く続けるために検査機関にご相談される事をお勧めしております。





















